私たちの体は、日々の生活の中で酸素を消費する過程で「活性酸素」という物質を生み出します。活性酸素は適量であれば体に必要な働きをしますが、過剰に増えると細胞を傷つけ、老化や肌のトラブル、などのリスクを高めることがあります。
そこで注目されているのが「抗酸化作用」です。抗酸化作用とは、活性酸素の増加を抑えたり、取り除いたりする働きのことで、健康や美容の維持に役立つと考えられています。
この記事では、抗酸化作用の基本的なしくみをわかりやすく解説するとともに、抗酸化作用の高い栄養素や食品、毎日の生活で活性酸素を増やさないポイントまで紹介します。体の酸化に気をつけたい方や、若々しさを保ちたい方に役立つ内容です。
目次
1. 抗酸化作用とは何か？還元に近い状態へ
2. 活性酸素が増えることで起こる問題
3. 抗酸化作用を持つ栄養素と食べ物の一覧
4. 野菜・果物を丸ごと食べる健康習慣をベジセーフで！
5. 活性酸素を増やさないための生活習慣とは？
6. まとめ：抗酸化作用の高い食べ物一覧！還元（若返り）にも効果あり？
7. 野菜高騰の今！家計にも優しいベジセーフ！
抗酸化作用とは何か？還元に近い状態へ
まずは、抗酸化作用について分かりやすく説明します。抗酸化作用は体を健康、そして若々しく保つための働きです。
抗酸化は活性酸素を除去・抑制すること
人間は酸素を使ってエネルギーを作り出し生活しますが、酸素を消費すると活性酸素が生まれます。活性酸素は私たちの細胞を傷つけ、老化・しみ・シワなどを引き起こしてしまうのです。健康と若々しさを維持するためには、活性酸素を除去したり、抑制する必要があります。この活性酸素から体を守る働きを「抗酸化作用」と呼びます。
この抗酸化作用により、細胞の酸化ダメージが抑えられ、化学的にいう「還元」に近い状態が保たれることで、若々しい体や肌の維持に役立つと考えられます。
活性酸素が増える理由
活性酸素は加齢によって増えていきます。その他にも、以下のような要因が活性酸素を増加させてしまうのです。
・ストレス
・喫煙
・激しい運動
・食品添加物
・紫外線
・多量の飲酒
特別なことをしていなくても、日常生活を送る中で活性酸素が増えてしまうと考えてください。
活性酸素が増えることで起こる問題
活性酸素が体内で増え過ぎると、次のような問題が起こるリスクが高まります。
体が老化する
活性酸素は、酵素・DNA・タンパク質・脂質などの細胞を攻撃して酸化させる働きを持ちます。その結果、体が細胞から老けてしまうのです。
免疫に影響を与える可能性
活性酸素が過剰に増えると、細胞や組織にダメージを与え、免疫のバランスに影響を与える可能性があります。
シミ・たるみ・シワなど肌の老化
紫外線を浴びて活性酸素が増えると、皮膚を若々しく健康に保つためのコラーゲンなどの働きが衰えます。
抗酸化作用を持つ栄養素と食べ物の一覧
この章では、抗酸化作用がある栄養素と、その栄養素を豊富に含む食べ物を一覧にしました。抗酸化作用が高い食べ物を把握しましょう。
ビタミンA
皮膚や目の健康に欠かせない栄養素であるビタミンAの中でも、体内でビタミンAに変換される「β-カロテン」は高い抗酸化作用を持ちます。ビタミンAには、活性酸素の働きを抑えて取り除く作用があります。
【ビタミンAを多く含む食べ物】
・ほうれん草
・にんじん
・パプリカ
・ブロッコリー
・ピーマン
ビタミンC
肌を美しくする栄養素として知られているビタミンCは、水溶性であるため、生で食べることで満遍なく摂取できます。ビタミンCは、コレステロールや中性脂肪など体内の脂質が活性酸素によって酸化されて作られる「過酸化脂質」の生成を抑制する働きを持ちます。
【ビタミンCを多く含む食べ物】
・パプリカ
・じゃがいも
・ブロッコリー
・柑橘類
・イチゴ
ビタミンE
ビタミンEは脂溶性で、主に細胞膜の脂質が酸化されるのを防ぐ作用を持ちます。油を使った調理で効率よく摂取できます。
【ビタミンEを多く含む食べ物】
・種実類
・アボカド
・うなぎ
・カボチャ
カテキン
カテキンは血圧上昇抑制や殺菌作用も持つ栄養素であり、お茶などの飲み物から摂取できます。
【カテキンを多く含む食べ物】
・緑茶
・ほうじ茶
・紅茶
・ウーロン茶
アントシアニン
疲れ目を予防する効果も期待できるアントシアニンは、一部の果物から摂取可能です。
【アントシアニンを多く含む食べ物】
・ブルーベリー
・プルーン
・柿
ケルセチン
ケルセチンには、血液をサラサラにする作用があります。血流が心配な方が積極的に摂取するべき栄養素です。
【ケルセチンを多く含む食べ物】
・レタス
・アスパラガス
・玉ねぎ
ミネラル類
ミネラル類は、熱に強く水に溶けやすい性質を持つことから、蒸し料理で調理すると良いでしょう。
【ミネラル類を多く含む食べ物】
・海藻類（わかめ・のり・昆布）
・納豆
野菜・果物を丸ごと食べる健康習慣をベジセーフで！
野菜や果物には、皮や表面にこそ栄養がたっぷり含まれています。ビタミンやポリフェノールなど、抗酸化作用を持つ成分をまるごと摂ることで、体の酸化を防ぎ、若々しさの維持にもつながります。しかし、まるごと食べる場合に皮表面の汚れが気になることも…。
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活性酸素を増やさないための生活習慣とは？
抗酸化作用が高い食べ物を積極的に摂取しながら、次のような生活習慣を意識すれば、より活性酸素の増加を抑えられるでしょう。
万全の紫外線対策をする
紫外線は活性酸素を発生させる働きを持ちます。紫外線により生まれた活性酸素は、肌の弾力とハリを保つためにあるコラーゲン・エラスチンを破壊します。
さらに、紫外線はシミの原因であるメラニン色素を作り出す作用もあるのです。普段から極力紫外線を浴びすぎないようにするためには、日傘を使う・日焼け止めを塗る・紫外線カットの衣類を着るなどの方法が効果的です。日焼け止めは2〜3時間おきに塗り直すようにしてください。
また、一般的な窓ガラスは紫外線をカットできないことから、室内にいても紫外線対策が必要です。
十分な睡眠をとりストレスを溜めない
睡眠中には活性酸素の発生量が少なくなるのみでなく、人間の体は眠っている間に傷ついた細胞を修復します。毎日十分な睡眠時間を確保するだけで、活性酸素を抑制しながら健康を維持できるのです。さらに、睡眠はストレスを緩和する効果もあります。しっかりと体を休めることが習慣化すれば、ストレスも溜まりにくくなるでしょう。
喫煙・飲酒を控える
お酒を飲んだ後、体内ではアルコールを分解するために活性酸素が発生します。そのため、飲酒の頻度が高い方や一度に飲むお酒の量が多い方は、活性酸素が増えやすいと考えてください。
また、タバコの煙の中には活性酸素が含まれるだけでなく、喫煙により大量の活性酸素が発生します。喫煙を続けていると、抗酸化作用を持つ食べ物を口にしても、相殺されてしまう恐れがあるのです。
適度な運動を習慣化する
激しい運動は活性酸素を増やす原因になりますが、適度な運動は抗酸化作用を高めて体の酸化を抑える効果があります。
ウォーキング・サイクリングなど軽い有酸素運動を習慣化させて、健康的な生活を送りましょう。軽い有酸素運動は、ストレスを緩和させる効果も期待できます。
まとめ：抗酸化作用の高い食べ物一覧！還元（若返り）にも効果あり？
いかがでしたか？今回の内容としては、
・活性酸素は体の細胞を攻撃して体を老化・免疫力を低下させてしまう
・活性酸素は呼吸だけでなく加齢やストレスなどの要因で増加する
・活性酸素を抑制する働きを抗酸化作用と呼ぶ
・抗酸化作用を持つ食べ物には、野菜や果物などさまざまな種類がある
以上の点が重要なポイントでした。活性酸素が増え過ぎると、健康や肌の維持に影響が出る可能性があります。抗酸化物質を含む食品を意識して摂取することで、体内の酸化ダメージの軽減をサポートすると考えられます。
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